パーカーの第5世代のペン「インジェニュイティ」を触ってみた

鉛筆、万年筆、油性ボールペン、水性ボールペン(ローラーボール)に続く、新世代の筆記具としてパーカーが発表した「インなんとかさん」
名前が覚えにくい上に言いにくいです。
「創意工夫」という意味で「ingenuity」らしいですが、もう少しわかりやすい名前にすればいいのに。

地元福岡での発売は12月から。
でも、ちょうど大阪に行く機会があったので、先行販売している店の1つである、大丸梅田店で少し触ってみました。

結論から言うと、私の感想は「21,000円の超高級サインペン」です。

いろんな筆記具のいいとこ取りを目指したらしく、それがうまくまとまっているのはさすが老舗のパーカーです。
しかしそれはつまり、他の筆記具でも十分実現できる性能です。
むしろ、特化してる方が、より特色が出せることもあります。

「インなんとかさん」を試し書きするのは、大阪行きの目的の1つだったので、普段使っている筆記具も比較のために持って行きました。
持ち込んだのは2本。

セーラー「プロフィット21 長刀研ぎMF」(万年筆,ペン先調整済み / 25,000円)
カランダッシュ「849 ハイラインコレクション」(油性ボールペン / 5,250円)

書き比べてみると、持ち込んだ「プロフィット21 長刀研ぎMF」を超える感じはありませんでした。
カランダッシュ 849とでは、筆記感では優劣付けがたいですが、コンパクトで鉛筆と同じデザインの849の方が小回りはきくと思います。

▼「インなんとかさん」の良かったところ


ペン先はなめらかで、動きは軽快。
サインペンのような筆記感ですが、摩擦感はほとんどなく、すぅっと線が引けます。まるで筆圧はいりません。

インクの乾きは早く、にじみはほとんど見られませんでした。水性インクのようですが、耐水性があるもののようです。
これだけ乾きが早いのに、ペン先は乾きにくいというのはすごいと思います。

リフィル交換式なのでペンの管理は簡単。
中身だけを入れ替えれば、本体はそのままでずっと使えます。掃除などのメンテナンスも必要ありません。

サインペンのようなペン先と筆記感ですが、意外と線に表情が出るようです。
筆圧を下げると細めの線が引けて、そのコントロールもしやすく感じました。

パーカーの矢印クリップが付いてます。

▼「インなんとかさん」のいまいちだったところ


はじめは、ペンが重すぎず大きな欠点もなく、ネタとして買うには高いけど悪いものではないと思っていましたが、試し書きを続けていて気になったところがいくつかありました。

独特の筆記感はなめらかで軽快ですが、接紙感があまりありません。どんな紙でも平凡な書き味です。
紙の特徴が筆記感に反映されないので、ちょっと面白みがなくなってしまいます。

サインペンっぽい筆記感の割りには線に表情が出るといっても、やはり万年筆ほどではありません。
また、サインペンのような線は、人に見せる文字を書く時は合わないシーンが出てくると思います。

そして決定的なことに、速記への追随性があまり高くありませんでした。
もちろん、「インなんとかさん」は水性インク系筆記具なので、普通の油性ボールペンよりは速く書くことができます。おそらく水性ボールペンくらいの速記はできるはずです。
でも、私が持ち込んだ「プロフィット21 長刀研ぎMF」では十分追随できる筆記速度で、「インなんとかさん」は線がかすれてしまいました。
私のプロフィットはペンクリニックで速記向きに調整してもらったものだということもありますが、ちゃんと調整した万年筆なら、筆記そのものでは負けないと思います。 【◆関連:セーラーのペンクリニックにいってみた】

▼ほかの筆記具を比べてみる


「インなんとかさん」のアピールポイントは、「なめらかな書き味」で「取扱いが簡単」で「インクの速乾性・耐久性」があるもの。

試し書きしていて、ほかの筆記具でも当てはまりそうなものは結構ありそうだと思いました。

ゼブラの「スラリ」は十分いけるんじゃないかと思います。105円で安いですし。
三菱鉛筆の「ジェットストリーム」も157円でいいですが、こちらはちょっとインクの耐久性に難があるので……。
個人的にはカランダッシュの書き味が好みですが、これはだいぶ趣味アイテム。

マーカーペンでは、ゼブラの「紙用マッキー」があります。極細なら1本126円。色展開は20色。マーカー特有の筆記感はありますが、すぐ乾いて耐水性が高く、扱いは簡単。


「インなんとかさん」の21、000円という価格は、国産のミドルクラス万年筆が買えるレベルです。
しかも、リフィルも1,050円と高価。
「高級さ」や「デザイン」に対する満足感はあるとは思いますが、筆記具本体の性能には値段の割りにあまり魅力を感じなかったというのが正直なところです。

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この記事へのコメント

通りすがり
2012年10月25日 03:56
試し書きコーナーでは書きやすさに衝撃を受けましたが,デザインと価格設定は疑問符がつきます.言ってみれば水性ペンに万年筆風のダミーの被せ物をしているわけで,それよりはインクやペン先の機能性を前面にアピールして売り出した方が好感が持てると思いました.
みずねねこ(Twitterに合わせてこっちに変更)
2012年10月25日 20:47
>通りすがり さん
2千円くらいならともかく、2万円はちょっと高すぎますね。
インクが乾きやすいのにペン先が乾燥しにくいというのがインジェユニティの最大の特徴ともいえますが、多少裏抜けしやすいという話も聞きます。
使う人に合わせて書き味が変わるというペン先は、削れて快適になってもすぐにインクが切れて交換になるとか。
いまひとつ、バランスが悪い感じがします。

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